主な治療方法主な治療方法

手術療法

甲状腺がんの手術には、それぞれメリットとデメリットがあります

  • ・手術の方法を決めるときには、そのメリットとデメリットについてよく理解することが大切です。
  • ・不安や疑問に感じることがあったら、主治医に相談してください。

各手術方法のメリットとデメリット

手術方法 切除範囲 メリット デメリット
葉切除術
(ようせつじょじゅつ)
片側
  • 手術後、甲状腺ホルモンを薬で補う必要がないことがあります。
  • 温存した甲状腺に小さながんが残る可能性があります。
  • 手術後、再発が確認されたり、放射性ヨウ素を用いた再発の検査や治療が必要になったら、残した甲状腺を取り除くための再手術が必要になります。
  • 声帯の運動をつかさどっている反回神経(はんかいしんけい)の麻痺を起こす可能性があります
亜全摘術
(あぜんてきじゅつ)
2/3以上
全摘術
(ぜんてきじゅつ)
すべて
  • 手術後、放射性ヨウ素による再発・転移の検査や治療が容易になります。
  • 手術後、サイログロブリン(Tg)を腫瘍マーカーとした再発・転移の検査が可能となります。
  • 甲状腺の機能が失われるため、甲状腺ホルモンを薬でずっと補う必要があります。
  • 場合によっては、副甲状腺機能の低下が生じ、血液中のカルシウムが不足するため、薬で治療を受ける必要があります。
  • 声帯の運動をつかさどっている反回神経(はんかいしんけい)の麻痺を起こす可能性があります。

用語解説

ヨウ素
主に海藻類に含まれる物質。からだの中では甲状腺細胞のみが取り込むことができ、甲状腺ホルモンの材料となる
放射性ヨウ素
放射線を出すヨウ素で、131Iなどがある
サイログロブリン
甲状腺細胞から分泌されるたんぱく質
腫瘍マーカー
がんがからだにあると血液中に増えてくる物質。がんの種類によって異なるため、診断や治療効果の確認に用いられる